くきなみ村から

人生万事大丈夫

六本足哀歌

どのくらい時が過ぎたのだろう気がつけばぼくはこの家の中を六本足で歩きながら生きていた。戸棚の裏に巣をかまえて暮らしお腹が減った時にだけゴソゴソ食べ物のある場所に歩いて行くそういう生活を繰り返している。 戸棚裏の巣の中は優しい家族に囲まれた平…

忍術千一夜

1,忍者というと姿を消してみたり、新幹線よりも速く走ってみたり、屋根に軽々と跳上がってみたり、天井に長時間貼り付いてみたり、石に化けたり、壁と同化したり、いろんな不可能をやってくれる。もしオリンピックに出場したら、間違いなく金メダリストだ…

不謹慎

2001年9月に起きたアメリカの同時多発テロの時、ニュースで「神よ。アメリカに加護あれ!」と書かれたニューヨークの電光掲示板を映していた。(もちろん英語で書かれていたが) もし、日本が今のアメリカと同じ立場に立っていたとして、こういうことを書く…

超能力

あるアンケートに、「ひとつだけ超能力を身につけられるとしたら?」というのがあった。「瞬間移動」「透視」「予知」「テレパシー」「念力」「その他」から選ぶようになっていたが、ぼくは躊躇せず「念力」と答えた。「瞬間移動」もよさそうだが、もし移動…

白髭

ぼくの住んでいる八幡(北九州市)に、花尾山という山がある。夜景で有名な皿倉山の横にある、400メートルに満たない低山だ。そこは中世に城があったらしく、所々にその跡が残っている。 二十代から三十代にかけてぼくは、運動不足解消のために、よくその…

不可解な事故(後編)

3, これも事故に入るのだろうが、何年か前に本屋の駐車場で見た話である。 その本屋には、駐車場の車止めの後ろに、高さ50センチほどの花壇がある。なんとその花壇の上に、車が腹を乗せて停まっているのだ。つまり、花壇の上に乗り上げているのだ。おそ…

不可解な事故(前編)

1, 2日前、バイパスで事故があり、1車線が通行止めになっていた。その日が日曜であったため、さして渋滞はしていなかったが、みな警察官の誘導の元、もう一方の車線をノロノロと走って行った。 別に車線が狭いわけでもないので、ノロノロと走る必要もな…