くきなみ村から

人生万事大丈夫

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【詩風】未来

もしかしたらぼくたち人間はこの一生を知りつくした上で生れてきたのかもしれないね。たまに先のことがわかったり見えたりするのはそのせいでたまにそれを思い出すからだ。未来全てを思い出せないのは先のことはわからないという先入観からくるものだろうね…

【詩風】ドクロ裁判

仮に世間があなたを善としましょう。いい人ですよ。近所付合いもいいし。この人が悪なんて絶対にありえない。大勢の声があなたに味方しています。しかしわたしはあなたを善としない。なに故にそう言切れるのかというと、わたしはあなたにとって絶対の存在、…

【詩】絵の具

この絵の具は使えば使うほど色も量も増えてくるので、一生不自由なくお描きいただけます。ただし使い続けなければ駄目でいったん筆を置いてしまうと絵の具は一気に減ってしまいます。まあ減ってきた時点で再開すれば多少の時間はかかるものの絵の具は元に戻…

セルフイメージ

1,確固たる自信のないまま生きてきたからどうもセルフイメージがよくない。端から見ると、いかにも自信家でそつなく見えるかもしれない。だけどそれは表向きを繕うために編み出した、ぼくの忍法だ。そうだ、みんなは誤魔化されているのだ。ぼくはぼくの影…

【吟遊詩】ためいき

新谷雅先/assets/nf466b8ff5ea2_b59357c18c67080ea5b8290d482bf5f2.mp31, 48歳の時、ぼくの所属していた部署が閉鎖になった。ぼくは専門職で雇われていたため、つぶしが効かないと判断され、リストラの対象となり、そのまま会社を退職することになった。 …

【詩風】柱時計

15分早い柱時計がコチコチと鳴っている。そして1時間おきに15分早い時報を告げる。わざとそういうふうに設定しているのではない。電池を替えた時に、ちゃんと時間を合わせているのだが自然と早くなっていって15分先まで行くとようやく落ち着くのだ。…

【吟遊詩】木漏れ日

新谷雅先/assets/nd4d35a33e61a_2e17686c2ed09a882c7c34b296df4d9a.mp3木漏れ日 静かな春の木漏れ日が 小さくぼくたち照らしてた ありあまる若い情熱で 夢を追いかけてた日々を 人にすがることもなく 自分の力だけ信じて ただ心の赴くままに 走り続けてたあ…

四月に入ってから

1,四月に入ってからぼくを含めたこの周辺が徐々に変わり始めている。友人たちは四月から環境を一新させてその方向を定めている。ぼくは四月から新たな一歩を踏み出してその方向に向かっている。最近読んだ本で言っていたが「自分が変われば、周囲が変わる…

【詩風】気づきを得る

十八年前に長年勤めていた会社を辞め、その後一年ほどの空白を経て今やっている仕事に就いた。まあ社会的、世間的にはそれが自然で普通の流れだったのだろう、いろいろな人から異口同音に「いい再就職口が決まってよかったね」と言われたりしたものだ。しか…

【詩風】カレーの夜

カレーを食べるのはいつも金曜だ。なぜそうなったのかは知らないが気がついたらそうなっていたのだ。通っていたミッション系保育園で「イエス様の亡くなった日なので金曜日は肉を食べません」という尊い教えを聞かされていたのだが、元来ミッション系でない…

【詩】ゆびきりげんまん

「ゆびきりげんまん、うそ・・幾つの頃の約束だったかあれ以来ぼくの体の中に毎日針がたまっていってチクリチクリ心を刺して毎日痛くて、毎日痛くていつも懺悔をしています・・ついたら、針千本飲ます」

【詩風】影

君がぼくの影を踏んでいるから痛くて痛くてたまりませんですお願いですから、後生ですからそろそろ踏むのをやめて下さい痛くて痛くてたまりませんです

【吟遊詩】南の窓

新谷雅先/assets/n9ec60aa62029_8d07c2afe02b78bce34f0797165c1b54.mp3南の窓(1979年作) 君の開けた南の窓は 今もまだ開いたまま 君の想い出運ぶ風よ もう一度にぼくに吹きつけろ 汗のこもった小さな部屋は 君がいた頃のままにある 君がくれた小さなオルゴ…

【詩】朝の吟遊詩人たち

始発バスも来ない時間から、窓の外にある公園に、ぞろぞろ吟遊詩人たちが集まってくる。彼らは大声を張り上げながら、その存在を主張する。疲れ果てた人の耳には、季節と自然に調和した心地よい音楽に聞こえるも、這い出たばかりの虫たちには、死神の雄叫び…

爪が伸びている

三月から伸びている爪を切らなくてはならないのだが四月の痒い背中を掻くためにもう少し伸ばしたい気もする。ただこのまま伸ばしていると加齢で割れてしまうだろう。きれいに割れれば問題ないが下手な割れ方をすると後で深爪に到ることもあるから面倒だ。爪…

【music】湖上

新谷雅先/assets/ndabf64d54a56_4d235f1de18d61912c3c18acbdb9f68e.mp3中原中也の詩『湖上』をイメージして作った曲です。

【詩風】臭い仲

幼い頃周りの友だちとは乳臭い仲だった。小学生の頃の友だちとは鉄錆び臭い仲だった。初恋だった彼女とは粉ジュース臭い仲だった。学生時代の友だちとは整髪料臭い仲だった。部活の仲間とは足臭い仲だった。その頃好きだったあの子とはレモン臭い仲だった。…

【詩風】ぼくとあの人

ぼくとあの人はある時期相思相愛だったんだけどおたがいに意識しすぎて構えすぎて、考えすぎて縁のない人になりましたぼくとあの人はある時期相思相愛だったんだけどそれを知らずにきたので片想いという認識を基に今の人生は作られましたぼくとあの人はある…

【吟遊詩】レジャーモービルの女

新谷雅先/assets/n7129369cd6b4_f7571725b0fb050ef82dd41d8da4edb6.mp3レジャーモービルの女 夜も越え 薄ら灯り 揺れるまなざし 知ったかの 懐かしい レジャーモービルの女 切れ長な 光る瞳 濡れた道を 振り返り 時を忘れ レジャーモービルの女 飛び出すな熱…

【詩】おかえり

午後十時半のエントランス。夜露で曇ったガラスの扉にどこかの子供が指で描いたドラえもんの間抜けな顔が「おかえり」と出むかえる。疲れたぼくは何も考えずに「ただいま」と返している。

【吟遊詩】ひとりぼっち

新谷雅先/assets/n5a402118cb01_fd6fca0de80ffbec41315659cfdec24c.mp3⇒https://note.com/massaki1488/n/na73a92ec04d3 ぼくは20歳から22歳まで東京に住んでいた。 20歳の春にまったくの未知だった東京に飛び込んでから一年、ようやく東京生活に慣れた…

【詩風】一話完結

人の噂は何日も何日も続く。ドラマのごとく一日一話で完結することなどまずない。日を追うごとに噂は膨らみ遂には真実も見えなくなる。そもそも噂話にはドラマやマンガの「…の巻」という一話完結させる括りがない。括りがないから一つの巻が延々と続いていく…

【詩風】Xへの手紙

おそらくあなたはぼくが思っているような女ではないはずです。おそらくぼくはあなたが思っているような男ではないはずです。もしもあなたが実際にぼくの思っているような女だったとしたら―。もしもぼくが実際にあなたの思っているような男だったとしたら―。…

待ち望んだ歳は中々やって来ない。 たとえば二十歳の時がそうだった。 望まない歳はさっさとやって来る。 たとえば六十歳の時がそうだった。

【詩風】猫に生まれ変わった夢

ということで猫になったわけだが…「えっ?」どうしてぼくは、猫になったなんて思うんだろう。元々猫だったよなぁ。そういえば昔、いや、ついこの間までだったか。今みたいな地面目線じゃなくもっと高い目線で生活をぼくはしていたような気がするんだけど。あ…

【弾き語り】初恋

新谷雅先/assets/n734e03629cc6_cc43ce9988696144992ec6f88ec390b6.mp3 ぼくの初恋、それがいつだったのかよくわからないのです。小学1年の時に気に入っていた子は、好きなのかどうかわからないままに終わってしまった。小学2年の時に仲が良かった子は、ど…

辺りは桜の花が咲き誇っている 気がつけば街に燕が飛んでいる。 そろそろストーブを終わないと、 ついでにコタツも片付けないと、 気持が春になってくれないんだ。

【詩風】雑おとこ

世の中実に多くの男がいるのです性格がいいと言われる男がいますイケメンと呼ばれる男がいます男らしいと言われる男がいます渋いと言われる男がいます男が惚れる男がいます家柄のいい男がいますバリバリ仕事が出来る男がいます大出世している男がいますそれ…

彼女と語り合えていたころ その多くの言葉のどこかに たった一つ『好き』という 小さな単語を加えていたら ぼくの人生は大きく大きく 変わっていたことだろうな

【吟遊詩】空を翔べ!

新谷雅先/assets/n8d6ba4f48f4b_374b4d80adfeae9e51c07d0dd5834ccd.mp3 『空を翔べ!』という詩を書いたのは、三十代後半だった。テレビで鳥の巣立ちのドキュメントをやっていたのだが、それを見ている時に、湧いてきた言葉を書きとめたものだ。曲は19歳の…