2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
柔道に捨て身技というのがある。自分の身を捨てて、相手の力を存分に利用する技だ。巴投げとか、谷落としとか、えらく名前がかっこいい。体の小さな日本人が、体の大きな人からの力尽くの攻撃を、いかに防ぐかを工夫してできあがったのが柔道だ。捨て身技は…
我が国は、平城京の昔から、技術や文化を提供するために唐の国に指導員を派遣していた。二百年以上かけてそれらを吸収し習得した唐政府は、「我が国に遣唐使は必要なくなったから、引き上げてほしい」と、平安京政府に要請してきた。 その時に対応したのが、…
月が出ている。月が出ている。ひとつふたつの言葉なんか簡単に忘れさせてしまう月が出ている。大きな月だ。大きな月だ。その上にうっすらとうっすらと雲がかかっている。影を隠す雲がかかっているだけどそれは今だけのこと。ほら、春から夏への星たちがあん…
ペンを持って仕事をしていると中指にタコが出来ている。これは中指とペンとの絡み合いから生じたものだ。靴ダコ、麻雀・パチンコダコも、みんな理屈は同じこと。異物との絡み合いから生じている。心だって同じことで、絡み合いの末にタコが生じる。例えば嫁…
トレーナーのほころびがすごく気になって街を歩くのもうつむきかげんに扉を開くのも遠慮がちに足は重々しげに希望をも失ったようにさまよい歩くトレーナーのほころびがすごくすごく気になって
今日の満足を朱に染めて夕日が緩やかに速やかに身を隠していく。暮れていく。いつもその身を震わせて夕日が緩やかに速やかに身を隠していく。暮れていく。代わり映えせぬ一日なのに人は夕日を心に写し涙を流し、感謝する。代わり映えせぬ一日なのに心は夕日…
「悩みなんて泡のようなものだから、いつか消えていくものだから、何も気にすることはないんだよ」よくそんなことを言われる。実はその時のぼくは、そのことについて悩んでいるのではなく、「そのことを悩まないようにしよう」「そのことを気にしないように…
何か問題が起きるたびに毎回毎回お酒が悪いんだと言いますけどね私は何ひとつやってはいませんよだって私暴れたりはしませんからそれよりも私が問題だと思うのは全て酒のせいということにすれば悪い印象が少しは軽くなるだろうといった世間の甘えた考え方で…
世の中通りの往来が激しくて、ぼくは道から外れることが出来ない。わざとゆっくり歩く人がいたり、なぜか慌てて走る人がいたり…。そういう人たちに両脇を固められているせいで、ぼくはここから抜け出せない。誰もが何ものにも執らわれることなく、普通に歩い…
いいですか、何も難しいことはない。一から順に数えるだけでいいんですよ。急ぐ必要はありません。焦らずにゆっくりと数えて下さい。あとはそれを繰り返していくだけです。数がかさむごとに、その星は成長していくでしょう。そして輝きを増していくことでし…
思い通りにならないことを 悩まなくていい思い通りにならない時は 思い通りにならないんだからそれは流れの中の通過点なんだからその場所に自分がいるんだからスランプ面なんかしなくていい無理にいじらなくていい思い通りにならないことは不幸なことなんか…
階段の怪人がジッとこちらを伺っている来る日も来る日も飽きもせずにジッとこちらを伺っているたまに足を踏み外すのかギイッという音がする
ハゲや白髪に0120デブやメタボに0120シワや肌荒れ0120肩こり腰痛0120膝の痛みに0120関節炎にも0120頻尿尿漏れ0120歯磨き歯ブラシ0120安眠枕も0120万能薬です0120テレビ買うのも0120高枝切りバサミも0120便…
昔読んだ佐治芳彦著の「日本人の歴史」という本に、面白いことが書いてあった。 日本の歴史の分岐点は、「応仁の乱」になるのだそうだ。内藤湖南が唱えた説なのだという。 応仁の乱以降が今の日本の文化や生活に直接繋がる歴史であり、歴史を研究するなら、…
あいつの頭を見ると、複雑な気持ちになってしまう。見ず知らずの人なら、そういう頭の人なんだと別に気にもかけないのだが、旧い友人であるが故にそれができないでいるわけだ。時に悲しくもある。時におかしくもある。あいつの頭を見ると、複雑な気持ちにな…
嫁さんの実家に行くと、なぜか気を遣ってしまう。居場所に気を遣う。お茶一杯に気を遣う。箸の運びに気を遣う。トイレに行くのに気を遣う。挨拶だけすませてさっさと帰りたいのだが、嫁さんの尻がえらく重い。だから余計に気を遣う。咳をするのに気を遣う。…
こんなに簡単な言葉が出てこない。こんなに簡単な世間が理解できない。大人というこだわりが、すべてを難しくしてしまっているのだ。脱いでしまおう。こんな汚れまくった服は、今日限りで脱いでしまおう。言葉なんて簡単なものだ。世間なんて簡単なものだ。…
うちのシャワーは、うまく閉めないと、すぐに水が漏れてしまう。普通に閉めてもだめなのだ。まずシャワーから水を出し、次にその水を止めるべく、レバーをゆっくりとカランの方向に回す。そしてカランに水が移る寸前で止めて、最後に気持ちシャワーの方向に…
国にぜひやってもらいたいことがある。25歳、35歳、45歳になる男女に義務教育を受けさせるということだ。 25歳は初等中年学校に入学し、中年の心構えを教わる。 35歳は中等中年学校に入学し、中年生活のチェックと軌道修正を行う。 45歳は高等中…
魏国を出発した調査員は、九州にたどり着いた。 彼は、そこの住民に尋ねた。「ここはなんという国であるか?」「国だと?そげなもんなか」「ここは国ではないのか。では、何という地名であるか?」「ここか、ここはヤマトたい!」 住民が早口で言ったため、…
駐車場の白い線の上にコーヒーの缶が置いてある。誰が置いたのかは知らないがご丁寧に真っ直ぐに立ててある。思うに缶を投げ捨てないあなたは缶を投げ捨てない程のいい人なんだ。そんなにいい人なんだからそこを歩く猫がつまずかないためにももう一歩だけい…
朝の情報番組で毎日やっているのが占いだ。人をマイナス思考に陥れるようなそんなコーナーを、毎日毎日よく見ていられるものだとぼくは嫁さんを見て思っている。その日の運が良ければいいのだがもし悪かったりすると、一日中そのことが気になって面白くない…
小学生の頃、誰よりも成長の早い子がいたとしよう。成長が早ければ、もちろん下の毛も誰よりも早く生えてくる。それを運悪く同級生に見つかってしまったとする。おそらく、彼のあだ名は『チ○ゲ』で決まりだろう。最悪の場合、女子からも「チ○ゲ君」と呼ばれ…
1,ぼくの毎日毎日の生活は酷い緊張の塊で出来ている。いつも頭はピリピリして、意味もなく胸はドキドキして、おまけに肩はコリコリしている。この緊張をほぐすべく体操とか瞑想とか色々なことをやってみるのだが、いつもその行為が安定せずに一向に埒が明…
更年期で苦しむ同世代の女子諸君、前立腺に悩む同世代の男子諸君、人生いろいろありましょうがとりあえずとりあえずとりあえずそちらの方向に目を向けたり心を奪われたりすることなく、塞がず焦らず前を向き明るく笑顔でいきましょう。止やまない雨はないん…
今から数千年後、今の歴史を失った後の話である。 ある考古学者が、我々の時代の地層を調べていた。この学者は以前、その地層から偶然民家跡を発見し、そこから発掘された茶碗や湯呑を見て、この時代も縄文や弥生と同じく土器を中心とした生活が営まれていた…
今から数千年後、今の歴史を失った後の話である。 ある考古学者が、我々の時代の地層を調べていた。この学者は以前、その地層から偶然民家跡を発見し、そこから発掘された茶碗や湯呑を見て、この時代も縄文や弥生と同じく土器を中心とした生活が営まれていた…
この体の中にはJ体という免疫を司る重要な臓器があります。その臓器、糖分のバランス次第では機能しなくなる恐れがあるのです。そうなってしまうと、ただでさえ弱体化していっているこの体は、様々なウイルスに冒されることになり、さらにさらに弱体化して…
ああそうです。出会った時はジンジンきたんです。ジンジンきて痛いくらいだったんです。以来あなたのことばかり想っていたんです。それがぼくの青春だったんです。とはいうものの、だからどうだということはなかったんです。だからどうだというものがなかっ…
自慰眠酒糖だとか、利権眠酒糖だとか、小梅糖だとか、狐狗狸眠酒糖だとか、強酸糖だとか、三味線糖だとか、糖分表示のない糖だとか、この体の中にはいくつかの糖分があるわけでありまして、その糖分が微妙に絡み合って体を蝕み、虚弱体質を作っているのであ…