くきなみ村から

人生万事大丈夫

2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

【詩】心の中を

いつもいつも考えることは暮らしのことばかり日々が通り抜けていく風は吹く、心の中をいつもいつも同じことの繰り返しばかり日々が色褪せていく時は行く、心の中を ただ夢だけが 駆け抜けていくのを 遠く眺めてるような毎日 風は吹く、心の中を ああ、想い出…

【詩】ホーライ・チャイゴ・オグネーク

とある地域の小さな沼には 満月の夜に月から風が吹く という古い言い伝えがある。空が晴れ渡った満月の夜に月風を受けると幸せになるという伝説を信じる村人が次から次へと集まってくる。手作りのお菓子を持寄って月風が洗う水で茶を点てて人びとはそこで人…

【詩】夜汽車

風よ、ぼくはもうすぐ行くよ君の元へ走る夜汽車に乗ってはやる気持ちを押さえながら目を閉じて朝を待つよまどろむ星は夜を映す遠くに浮かぶ街の灯りふと君の影を窓に見つけぼくは慌てて目を閉じる 暑い、暑い夜汽車よ ぼくを、ぼくを乗せて 西へ、西へ向かう…

【詩】風

精一杯風でありましょうよ。吹きまくる風でありましょうよ。留まっては風じゃないでしょう?遮るものがあるのなら、そこを飛び越えて行きましょうよ。存在なんか気にせずに、時間なんか気にせずに、吹き飛んで行きましょうよ。風でありましょうよ。吹き過ぎ…

【詩】遙かな島に

愛に不慣れな小さな舟で大きな海をぼくは漕いでいく君の待ってる遙かな島にたどり着くために古い地図は破れてしまい今どこを漂っているんだろう君の島に輝くという星を頼りに進む 嵐が来ても諦めずに とにかく前を向いて ぼくは舟を漕いでいくんだ 大きな波…

【詩】夢追う人

空を駆け行く太陽は、朝に己の行方を照らし、昼に己の足下を照らし、夕に己の軌跡を照らし、然る後に暮れていく。時を駆け行く人間は、若い身空に夢を追い、壮年期には現実を追い、年老いてから過去を追い、然る後に果てていく。突き詰めてみれば日も人も、…

【詩】もし愛することが終わったら

もし愛することが終わったらぼくはタバコを吹かしてきみは目を閉じて背中合わせにすわるだろう甘く切ない思いが二人の心の中ひとつひとつに訪れては消えていくだろうそれぞれの時間の中で あまりに殺伐とした世界が 何もかも確実にしらけさせて 始終生きてい…

【詩】梅雨を前にして

もしも外で雨が降っているのなら家の中に雨が降り込まないように窓を閉じているだけでいいのです。外で雨が降っているからといって雨にまつわる思い出などを甦らせ心をそこに遊ばせてはなりません。所詮は湿気った記憶なのですからカビの塊のような物なので…

【詩】好きになってもいいのかい

鳥が鳴くからぼくは眠たい瞬きを見せる君はさっきからテーブルのそばをウロウロしているああ、ようやく朝が来たんだね ねえ、好きになってもいいのかい?あまりに怖ろしい夢が頭の中をちらついていた夜に生まれたはずの悪魔は、今君の天使に消えていく、ほら…

【詩】気づき

人より早くそのことを気づいた人がいまだそのことを気づいてない人にそのことを気づかせてやるのが友人でそのことで一生感謝される人より早くそのことを気づいた人がいまだそのことを気づいてない人にそのことをひけらかすのがエリートでそのことで陰口をた…

【詩】今日も君を想い出にする

今日一日が情けなくて、ぼくは何気なく君を見る君はかすかに笑みを浮かべ、小さくうなずいて席を立つぼくはやっぱり君が好きで、二度と離れて暮らすなんてとても出来ないことなんだと、君をまた今日の想い出にする 途切れた愛の日々を ひとつひとつ想い出し…

【詩】富士の遊覧船

小さな小さな雨が降る日晴れますようにと祈りながら富士の遊覧船に乗り込んでひとり水面を見つめているひとり見つめる水面の上に小さな雨が落ちるたび船は心を持ったごとく想い出ひとつに揺れていく想い出ひとつに揺れている遊覧船のデッキの上でぼくは雨に…

【詩】プラトニック

今君がどこにいて、何をしてるかなんてぼくには関心ないことなんだよもっと大事なことは、君を心の中から離したくない それだけなんだよ いつも、君はぼくの中にいる もっと、素敵な笑顔見せてくれ 早く、もっと早くぼくの前に 明るい風を吹かせてくれ、いい…

【詩】その一言

その一言が言えなくて後悔することがある。その一言を言い忘れて後悔することがある。その一言が足りなくて後悔することがある。その一言を言い過ぎて後悔することがある。その一言を言い違えて後悔することがある。その一言を二言言って後悔することがある…

【詩】見つめあう

ぼくときみはおたがいにそこそこ年齢を重ねているので、たとえばぼくはきみの後ろにたとえばきみはぼくの後ろにどうしてもその人生を見てしまうだから素直な目でおたがいを見ることができないでいるのです。といってそのことは相手に向き合う自分を諦めたと…

今日の日記より

https://blog.goo.ne.jp/shinta1488/e/dcd3defc6d7de7ca26aab63b907c7327

【詩】夜を夜に返してあげよう

夜を夜に返してあげよう。文明を象徴する明るさが、未来の文明を作っていく子供の夢を邪魔している。夜を夜に返してあげよう。夜を夜に返してあげよう。恐怖を与えない明るさが、昔からの妖怪を滅ぼして新たな妖怪を生んでいる。夜を夜に返してあげよう。夜…

【詩】尿酸値ブルース

呼んでもないのに、ひょっこりとぼくの中に変なヤツがあらわれた放っておくと痛風になるんだとか尿酸値、どこから忍び込んできた ?ビールなんて全く飲んでないのにプリン体なんてとってもないのに勝手に体の中に入るなよベイビー尿酸値、いつまで居座る気な…

【詩】悔いよ己を

悔いよ己を 我が恥ずべき過去を乱るる心を 偽りの行いを後悔による賛美を 我が醜き身を悔いよ己を 我が恥ずべき現在(いま)を偽りの中の沈黙を 沈黙の中の偽りを鏡の中の虚像を そのうそで固めた眼光(ひかり)を悔いよ己を 我が恥ずべき未来を偽才に溺るる…

【詩】ひとりぼっち

気がついてみれば いつもひとりぼっち気楽につきあっていけそうな 皆さんですがね振り向いてみれば 誰もいなくなってねそんな毎日が ぼくをつつんでる寂しいというのが 本音なんだけどいつもひとりっきりで 強がってみてねひとりぼっちなんですね もともとが…

【詩】青春のスクイズ

きっとあいつは走ってくる。砂煙を上げ滑り込んでくる。ベンチはヒッティングからスクイズサインに切替えた。ベース上で土を払っているあいつの目に覚悟が見えた。一点ビハインドの九回の裏あいつを生還させなければこの一戦が引退試合になる。優勝なんて望…

【詩】小さな絵日記

風に乗った恋が小さな絵日記、書き綴る夢のような幻に時のキネマは過ぎて行く 君を待ってたこの三叉路で 少し汚れた口笛を吹く君にあげた恋がいくつもの綾を織りなして小さな気球作るほら、どこか遠くへ飛んで行った 君と歩いたこの三叉路で 少し汚れた口笛…

【詩】眠たくなる

眠たくなるというのは神さまに眠りを催促されているからで精神がたるんでいるわけではない。とにかく今のぼくには睡眠が何よりも大切でそれ以外のことは意味を持たない。たとえば今のぼくにとって歩いたり体操したりすることは疲れるだけの行為なのだ。しか…

【詩】スカスカブルース

世の中スカスカ、壊れてスカスカ時代はスカスカ、未来もスカスカ現実はスカスカ、希望もスカスカ夢見もスカスカ、理想もスカスカ都会はスカスカ、田舎もスカスカ会社はスカスカ、仕事もスカスカ学校はスカスカ、勉強もスカスカお店はスカスカ、お客もスカス…

【詩】朝の風に

頭の中は眠たさで一杯徹夜だったのですあくびは限りなく出るし目は真っ赤なのでしょう朝の風に打たれてこようこれが一番でしょう。太陽の光はまだ見えないけど空は明るくなっていきます初夏だというのに朝はまだ寒く厚着をしています「朝の風に打たれてこい…

【詩】昨日までの生きざま

夜は明けて 日は昇り 雲は隠す鳥は鳴き 風は吹き 今日でお別れまた街は揺れる いつものように人は声もかけず 忘れたふり空は泣き ぼくは泣き 涙は尽きくたびれた靴が この街の想い出この道は いつもの道 歩き慣れた傘もなく びしょぬれの 荷は重く水たまりを…

河童

前の会社にいた頃の話。昼食後、ぼくはいつも自分の車の中で寝ていたのだが、そこで時々不思議なことが起きていた。何者かが車内で横になっているぼくのお腹の上に乗り、ドンドン飛び跳ねるのだ。『誰だ!?』と目を開けても誰もいない。おかしいなと思いな…

河童

前の会社にいた頃の話。昼食後、ぼくはいつも自分の車の中で寝ていたのだが、そこで時々不思議なことが起きていた。何者かが車内で横になっているぼくのお腹の上に乗り、ドンドン飛び跳ねるのだ。『誰だ!?』と目を開けても誰もいない。おかしいなと思いな…

【詩】気が楽だったり、時々狂ったり(1975年作)

ここに来て半年、おれはみんなを無視してきたし誰も信じようとは思わなかっただから彼らもまったく、おれを相手にしない気が楽だったり、時々狂ったり主人は人の話を聞いてくれない頑固な人でいつもみんなから嫌われているもちろんおれも彼を信じちゃいない…

【ソネット】眼下の自分

何をいったいしょぼくれているんだろう。とくにこれといった事件はなかったのに。心浮かないというか、楽しめないというか。けっこう面白くない一日なんですよ。とはいうものの本来の自分はそんな眼下の自分を観て楽しんでいるのですけどね。『ねえ、いった…