2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧
『この人とはいっしょにやりたくないな』仕事などをやっている時、ふとそんなことを思うことがある。そういうふとした思いというのはけっこう将来に繋がっていることが多く、もしそのままの状態を続けたりすると、いつか嫌な思いが先に立つようになる。神さ…
あなたは知らないだろうけどあなたについては色々とあったのですよ、ぼくの中でね。それが吹っ切れないまま歳を重ねてきたのが今のぼくというわけです。色々って?色々は色々ですよ。好きになったり、嫌いになったり夢を描いたり、朽ち果てたり理性的になっ…
投稿に明け暮れていた若い日々がありました。詩であるのか歌詞であるのかよくわからない言葉を綴ってはそれを送っていたのです。そしていつも家に帰るとまず最初にポストを開けたのです。だけどいつも入っているのは乱雑に放り込まれた新聞と怪しげなチラシ…
暗い地中で何年も暮らし明るい地表に出てみたらこの世は真夏のど真ん中暑さのかたまりで一杯だワシワシワシアチチチチ空を飛んだり小便したりこの世の夏を駆け抜ける異性の快楽におぼれたり小鳥の襲撃におびえたりワシワシワシアチチチチ人生の最期が青春と…
熱いコーヒーを飲んでからいつもぼくは寝ています。それじゃ眠れんだろうといろんな人が言うけれどこれがけっこう眠れるのです。逆に飲んでなかったら眠れないかもしれません。昔はコーヒーがまったく飲めなかったのです。小学生の頃、ひょんなことからコー…
農家の人たちが寝静まった頃お地蔵さんたちがやってきて緑色の大きな玉や小さな玉にせっせと黒い線を書いていく「この玉の中は赤いんだって「甘い汁が詰まっているって「そろそろ腹も減ってきたな「一つ割って食べてみようか「よせよせ修行中なんだからせっ…
そこからそこまで線を引いていくつもいくつも線を引いてそこばかりやみくもに覚えていた時期があった。ただ試験のためという目先のことだけを考えての単純で退屈な作業だった。線を引いた箇所はそれ以降何の役にも立っていない。ところがそうやって過ごした…
毎朝8時5分に家を出る私にとって毎朝7時58分から始まる今日の占いは気忙しくて、鬱陶しくて、気が重い。これで最下位にでもなろうものならそれが一日の重しとなって最悪な一日になり果てる。だから耳を塞いで、歌などうたって聞かないようにしているん…
昨日その人に会ったのならその人は会うべく人であって何ら無駄のない出来事だ。もしその人と会ったことで不快になったとしてもそういうことは置いといてその人を神さまだと思ってみな。そこからいろんなことがよくなっていくから。今日この人に会っているな…
川が決壊したとかでみんな歩いてるんですよ。足首まで水に浸かっててね。それを見ながら、ああまでして会社に行く必要があるんかいな、なんて思ってましたよ。どうせ行ったって仕事になんかなりゃせんのですからね。第一外回りが出来ない。電車もバスはスト…
ボタンを掛け違えたのだろうか、運命が思わぬ方向に向かっている。いいことなのか悪いことなのか、今のところそれはわからない。だが宿命というものがあるとするなら、これもまた必然であるはずだから、正しい方向に進んで行っていることになる。今はただ運…
その変なしぐさが自分だったりする。根はしゃべり好きなのが自分だったりする。物腰のぎこちなさが自分だったりする。要領が悪いと言われるのが自分だったりする。根のない意地の悪さが自分だったりする。ちょっと意地を張るのが自分だったりする。物事に注…
焦らない、焦らない、焦らない。気持ちが先走りそうになった時はすかさず「大丈夫!」と言い聞かせる。そのうち大丈夫になってくる。悩まない、悩まない、悩まない。悩み虫が出そうになった時はすかさず「大丈夫!」と切り返す。そのうち大丈夫がやってくる…
一日中、無表情な顔をして前の公園を眺めてみるとか一日中、誰とも一言もしゃべらないでみるとか一日中、心の中で「ありがとう」と言ってみるとか一日中、寒さの中を素っ裸で過ごしてみるとか一日中、ミントサウナで汗を流してみるとか一日中、人に何と言わ…
何をやるのかを決めたらあれこれ考えるのをやめ人に惑わされることなく前だけをしっかり見据えしっかりと自分を持って「ヨーイドン」するんだ100%を求める心とかまだ早いという怖れとか誰に悪いという言訳とか何もかも捨ててしまってとにかく一歩を踏出…
男は絶対に浮気はしませんという嘘をつく女は絶対に嘘をつきませんという嘘をつく喫煙家はもうタバコは吸いませんという嘘をつく二日酔い野郎は二度と酒は飲みませんという嘘をつく子供は絶対に勉強しますという嘘をつく年寄りはわしが若かった頃はという嘘…
その髪型にしたのは暑さへの対策ですからしさの追求ですかアートな感覚ですか美容師まかせですかモテたい衝動ですか奇を衒ったのですかあの人の好みですかヤツへの復讐ですかセクハラ誘導ですか世間への恨みですか
夏至の日は晴れてないとありがたみがない。一番長い陽の光を拝めないのが口惜しくて。雨が夜を急かすので日没すらもわからない。七夕の夜は晴れてないとありがたみがない。幼いころからの夢を雨はいつも流してまう。織姫と彦星の恋を一度も味わえないでいる。
釈迦だとか孔子だとか聖人と呼ばれる人たちは決して難しいことを言っているのではない。当たり前のことを誰もがわかるように語っているだけなのだ。それを難しくしたのはその時代時代に存在する先生と呼ばれる人たちだ。きっと時代とともに先生の心がひねく…
波に乗る風 涼やかにああ映し出す 月影夢のような 時は過ぎ短すぎる 夏の夜君は一人 浜に立ち波寄際に うるわしくああ風の音 波の音短すぎる 夏の夜 そして君は ぼくを呼ぶ 貝殻片手に ぼくを呼ぶ そっとこの手を 握りしめ 肩に頬を すり寄せて 夢のような …
もし失敗というものがあるのなら夢の向こうに彼女を置いたのがぼくの唯一の失敗だったのかもしれない彼女のことよりも何よりもとにかく自分が信じてきた夢ばかりを追ってきたのだからだもし成功というものがあるのなら夢のこちらに彼女を置かなかったのがぼ…
ダダダダダと雨が降りだしました。ゴロロロロと雷が鳴りだしました。ピカカカカと稲妻が走っています。これから車で仕事に出かけようとエンジンをかけたぼくにどうして神仏はこの試練を与えるのだろう。あまりにもあまりにもあまりにもタイミングがよすぎる…
トンボが飛行機を背負って飛んでいる。飛行機はあまりに大きすぎて、トンボにはその存在がわからない。だけどトンボは飛んでいる。飛行機を背負って飛んでいる。飛行機がトンボに背負われて飛んでいる。トンボはあまりに小さすぎて、飛行機はその存在がわか…
目が覚めたら、まず周りを見回して確かめてみましょう。枕元に、読みかけの本があるかどうか。数分進んだ目覚ましがあるかどうか。嫁さんが横に寝ているかどうか。同じ状況にあるのならちょっと空を飛んでみましょう。もし飛べないようであるならそれでいい…
保育園に通っている頃、生まれて初めて犬の交尾を見た。お尻とお尻がくっついていかにも困ったような顔をしてしきりに「ワンワン」と吠えていた。そばにいた伯母に「何をしているのか」と尋ねると、クリスチャンの伯母は慌てる様子もなく「悪いことをしたか…
街が好きだこの街が好きだ。生命力がみなぎっているこの街が好きだ。躍動感が溢れているこの街が好きだ。心を癒やしてくれるこの街が好きだ。夢を育んでくれるこの街が好きだ。愛を運んでくれるこの街が好きだ。優しく見守ってくれるこの街が好きだ。いつも…
小学生の頃、桃やスイカを食べたあと、種を庭に植えていた。これで来年食べられる、そんなことを思いながら。だけど秋には忘れていて、桃やスイカと同じ場所に、巨峰や梨の種を植える。それも冬になると忘れてしまって、今度はミカンやリンゴの種を植える。…
傷ついた部屋に閉じこもってぼくは何気なくマッチをすった前からやっていたような気もするけどこれが初めてのような気もする その日太宰府は雨の中にあった ただいつもと違うことは傘が二つ 小さな梅の木はただ雨の中に そうやっていつも春を待つんだろうマ…
すべては六月に起きている。今も陰暦を使っているものと、勘違いした神様が、「ああ今月は水無月かそれなら当分雨はいいや」と晴れ間の数を増やすんだ。下界はしばらく我慢をするが、さすがに七月間近になると、空梅雨などと騒ぎだす。雨乞い神事がおこなわ…
夏のある日、携帯電話の向こう側にいる友人と思い出話にふけっていると、自転車に乗った二人の女子高生が笑いながら目の前を過ぎて行った。夏がよく似合う年頃なんだな、制服の白が太陽の光を浴びてえらくまぶしく見えている。あの子たちにもきっと、今日の…