くきなみ村から

人生万事大丈夫

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

趣味の欄

若い頃、就活をしていた時期に、いつも困っていたのが履歴書にある趣味の欄だった。当時やっていた『作詞』『作曲』などと素直に書けばすんだ話なのだが、「作詞や作曲は趣味ではなく人生だ!」などと変な方向に考えてしまって、その趣味の欄だけがなかなか…

【詩】せわしい道

ここからこの道を歩いて行けば、ずいぶん近道になるのだけれど、ぼくはあえてこの道を歩かない。別に車が多く通る道ではないし、舗装してない砂利道でもないし、とくに霊が集まる道でもないし。でも直感とでもいうのだろうか、なぜだかこの道は気が進まない…

悲しきマッサージチェア

昨日は休みだったのだが、何もやることがなかった。あまりに暇だったので、運動をした後に、嫁さんの部屋に置いてあるマッサージチェア(あんま椅子のことを今はそう呼ぶらしい)にかかった。それを使うのは今年初めて、というかおよそ1年半ぶりだ。 そのマ…

【詩】ラブ・マイナス・23

空は重黒く垂れ下がっていた。風は艶めかしく吹いていた。雨は後ろめたく降っていた。街は空鉄砲に撃たれていた。若者は自由に明け暮れていた。大人は孤独を売り物にしていた。年寄りは赤信号で疾走していた。旅人は山頂の先を見つめていた。会社員は職安に…

三億円の夢

『〇〇』をするとお金が貰えるという夢を見た。 金額は人それぞれ違っていて、ぼくの場合はその金額が三億円になるらしい。 その『〇〇』というのが、とても簡単なことで、「本当にそれをするだけで、三億円もらえるんですか?」と、興奮したぼくは大声で尋…

【詩】劇薬

今を生きる人類は冷えていますからね、暑さの中では生きていけないんですよ。だからバタバタと倒れてしまうんです。文明を進化のように言ってますけどね、実は人類を退化させる仕掛けでしてね。そうそれは劇薬と言ってもいいのです。仕掛けた側は劇薬だと思…

ちょくちょく

ちょくちょく居眠りをするもんでちょくちょくドラマで失敗します。たとえば二時間のサスペンスなら殺人の場面までは起きているけどそこから居眠りを始めてしまって居眠りから目が覚め画面を見ると既に断崖絶壁の場面になっている。いちおう録画はしているん…

【詩】未来

もしかしたらぼくたち人間はこの一生を知りつくした上で生れてきたのかもしれないね。たまに先のことがわかったり見えたりするのはそのせいでたまにそれを思い出すからだ。未来全てを思い出せないのは先のことはわからないという先入観からくるものだろうね…

遅刻の女王

学生の頃に何度も遅刻していたので、人のことをとやかくは言えないけど、むかし勤めていた会社の部下の遅刻には往生しました。 別に悪意を持って遅刻しているのではない。ちょっと変わった女子ではあるが、遅刻が悪いことはわかっているし、根が素直なので注…

【詩】空を翔べ!

漠然と思い浮かべてた 大切な一日が今日風に乗って おれのもとにやって来た空には大きな雲が 雨はおれを叩きつける悪いことを考えている 出来るんだ、空を翔べ!運命の一日だと 誰かが言ったおれの人生は今日に かかっているんだ今までやってきたことはすべ…

星占いは見ない

ある本で読んだのたが、占いはあまり見ない方がいいらしい。その日が良ければ問題ないのだが、悪ければマイナス思考に陥りやすいのだそうだ。 それよりも神社などでお参りして、「神様に頼んだから大丈夫」という気分でいたほうが、幸運が舞い込んできやすい…

【詩】あいうえお同窓会

ああ、これはこれはあなたはあなたでしたよね。まあ、立派な立派なおばちゃんになっちゃって。いや、若い頃が嘘のようです。ぼくたち男子を魅了したそのつぶらな瞳の横には幾筋もの小じわが出来ちゃって。うっ、やっぱりそうなるのか。ぼくたち男子のくちび…

【詩】人生の解

算数の答は、与えられた枠内だけで考えるのではなくその枠外に延長線を引くことで求められることが多い。もしかしたら、この人生も自分の枠内だけではなく枠外に延長線を引くことで答が求められるのかもしれない。この人生に時々『大嫌いな人』というのが登…

【詩】プッカプカ

これだけはつたえておかなければというものがぼくの意識の領海をプッカプカと漂っているのですがそれが何なのかわからないのです。以前から気になっていたのですがなかなか答が落ちてこないのです。ただ朝目覚める前の意識の中ではそれは充分にわかっている…

猫修行

猫を飼っている人から聞いた話だが、今まで飼った猫は必ずと言っていいほど1~3ヶ月行方不明になったということだ。 そういえば、小学生の頃読んだ本にミステリーゾーンというのがあって、その中に、「猫修行」という項目があった。 先の人が言っていたと…

【詩】大丈夫

『大丈夫』という文字をこころの中に書き込んで何かあるたびにそれを観る何か思うたびにそれを観る何か触れるたびにそれを観る何か感じるたびにそれを観る何か耳にするたびにそれを観る何か目に映るたびにそれを観る人が何かを言うたびにそれを観る人が何か…

どちら様でしょうか?

1, 先日、まったく知らない人から、「おーっ、こんにちは!」と言われた。ぼくは『えっ、誰だ?どこで会ったんだろう?』と思いながらも、「こんにちはー」と一応頭を下げた。 するとその人が「今日は何事ですか?」などと声をかけてきた。「はあ・・・?」と…

【詩】彼岸猫

老いた野良猫尻尾を振ってナムアミダブナムアミダブ不安な心でいるのだろうか願を掛けているのだろうかご先祖さまの供養だろうかそれともあの世のため息か老いた野良猫後光が差してナムアミダブナムアミダブお盆過ぎても彼岸過ぎてもお寺さんでもお宮さんで…

LOVE

1,今我々が宇宙と呼んでいるものは実は一つの生命体なのだという。そして宇宙意思と呼ばれるその生命体の持つ欲求が、この宇宙で最高の美となり人はそれを愛と呼ぶ。つまり愛の意味するものすべてが、宇宙意思であり、この生命体の欲求だというわけだ。高…

【詩】ローカルルール

広場の隅からその家までは公式では本塁から三塁位の距離しかなかっただだろう。だけどぼくたちのボールはなかなかその家に届かない。だから学校から帰ると毎日右利きのヤツは力まかせに左利きのヤツは窮屈そうに重たいバットを振りまわし左方向のその家に放…

寝言

休日になるといつも眠気が襲ってくる。何をやっていても、ついつい居眠りしてしまうんだ。きっと休みで気が張ってないから、どうしてもそうなってしまうんだろう。 いや、待てよ、それはちょっと違うかもしれない。なぜなら気が張っているはずの仕事中でも、…

【詩】騙されないぞ!

家の前のバス停からバスが停まる「キー」という音がする。続けて「プー」というドアーが開く音と「お待たせしました」という声だ。ぼくはその声に軽く目を覚ました。「始発かな。もう五時になるのか」と、なにげなく時計を見てみるとまだ二時を何分か過ぎた…

世の中おかしい

先日、知人からおもしろい話を聞いた。 その人の近所の家で飼っている犬が、ガンになったという。そこで、そこの奥さんは仕事を辞めて、けっこう長い期間看病したらしい。犬の治療には金がかかるらしく、点滴一回につき数千円から数万円も取られるのだそうだ…

【詩】幼い日

月の作る影の中に虫が鳴く虫の鳴く声はススキを揺らしススキが揺れると声は止む声なき夜のしじまの中に小さな妖怪が潜んでは時間とともに成長する長い長い時間の中で巨大に育った妖怪たちがじっとこちらを窺っている今にも襲ってきそうな気配の中幼いぼくの…

【詩】月夜待(つきよまち)

君に逢えれば こんなことだって忘れられると 思ったものさ笑い話に 君のことを歌ったことも 昔のことさ夢はいつも 美しいものでしあわせそうな 二つの影を映し出しては 消えていったあこがれては 思い悩み 月夜待から 二つの道を 選ぶいとまが 君との川で流…

【詩】心がけ

「これを落としそうな気がする」そう思った時は決まってそれをどこかに落としている。だから「これを落としそうな気がする」時は「これを必ずポケットに入れる」と自分に言い聞かせるよう心がけている。ところが「これを落としそうな気がする」時ぼくはいつ…

【詩】本能

寝つきが悪いと思っているのは目を閉じて眠ってないからです寝起きが悪いと思っているのは目を開けて起きてないからです何を言っているかと申しますとちゃんと目を閉じて眠るならばちゃんと目を開けて起きられると、言っているのでございますそんなの当たり…

忍術千一夜

1,忍者というと姿を消してみたり、新幹線よりも速く走ってみたり、屋根に軽々と跳上がってみたり、天井に長時間貼り付いてみたり、石に化けたり、壁と同化したり、いろんな不可能をやってくれる。もしオリンピックに出場したら、間違いなく金メダリストだ…

信号待ち

ここの赤信号はえらく長く感じる。まだ二、三分も経ってないはずなのにもう三十分以上も停まっているような気がする。おそらくはさっきから本線に車が通ってないからそう感じるのだろう。こんな時、ぼく以外の人はどういう行動を取るのだろう。信号を無視し…

【詩】目覚めてみると海の上

目覚めてみると海の上立っているのか、座っているのか雲ひとつない海の上昼間なのか、夜なのかわからない、わからない物音ひとつ聞こえないわからない、わからない季節もここではわからない夏であるのか、冬なのか何ひとつない海の上船も見えない、人もいな…