2024-10-01から1ヶ月間の記事一覧
社長、部長、お偉いさんを示すとき、親指立てる癖が哀しい朝がまたくるかと思うとイヤになる明日は何の会議だろうかそれほどに難しくない言葉でも、彼らが使うとややこしくなる申告書の、いつもつまずく趣味の欄読書は趣味でいいのだろうか彼を見て、孔子の…
気づいてみると世の中は遺伝子どおりのサル社会とやかく言っても現実はサル知恵同士の騙し合いうまれた時から何らかのボスになろうとサル芝居友だちごっこで油断させ奪い合いするサル蟹合戦勝者は敗者にぞんざいで自由をうばうサルグツワ敗者に居場所を与え…
最近、野生動物の番組を見ることが多くなった。 この間は北海道の野生動物を追っていた。印象に残ったのは野うさぎだったが、彼らはいったいあの寒さをどう感じているのだろうか?あの体毛がどのくらい有効なのか、一度体験してみたいものである。 人間の場…
「私の才能は群を抜いていて誰よりも誰よりも多くの男を手玉に取ることが出来る」と遊び好きなA子は思っている。「私の才能は群を抜いていて誰よりも誰よりも多くの女に愛されている」と女たらしのB男は思っている。「私の才能は群を抜いていて誰よりも誰…
小学三年生の頃、ひょんなことから寿限無を覚えた。当時は100文字そこらの文字数なら、何の苦もなく覚えられたのだ。徐々にきつくなったのは中高生の頃からで、歴史の年号や数学の公式などに、いつも手こずっていたものだ。 社会に出てからさらに酷くなった…
あの日運命が昼休みの時間を五分だけ延ばしてくれてたら同じ姓を持ち同じ時を過ごし世間をまったく気にしないで微笑ましいキスができる仲にきっとなっていたに違いない。その悔恨がつのってつのって彼女とキスをする夢になった。実に微笑ましい夢だったけど…
中学生の頃だった。居間で昼寝をしていた時に、玄関の扉をトントンと叩く音がした。目を覚ましてみると、目の前に、ぼくの顔を覗き込んでいる人がいた。胸に大きな名札をつけ、モンペをはいた婆さんだった。誰だか思い出せない。というか、知らない人だ。『…
その線より前を見ると心は暗くなるその線より後を見ると心は重くなるその線上にいる時だけ心は楽になるとりあえずそこに気づくのが大切で。そこがこの山の一合目となるのです。その線上に居続けると心は楽だけどその線上に居続けるのはむずかしい。だからそ…
ぼくは、月に何度か近くの神社にお参りに行っている。そこは地域にある小さな神社で、正月以外は参拝客も少ない。 その神社で、時々お目にかかる方がいる。ぼくのように適当ではなく、いつも長い時間お参りをしている。 邪魔しては悪いので、その方がお参り…
午後二時半、遅い休憩を取って冷めた昼飯を食っていた。午後三時半、食事を終えて次の取引先に向かっていた。午後四時半、よそ行きの顔して取引先の人と話していた。午後五時半、仕事を切り上げてクルマに乗り込んだ。午後六時半、渋滞の坂道をイライラしな…
1, 小学校に通っていた頃は、買い食いを禁止されていたので、学校帰りに文房具以外の物を買うという行為はあまりやった覚えがない。告げ口をする奴が多かったため控えていたのだと思う。 中学に入ると、学校ではそういう細かいことを言わなかったので、毎…
明るい日がさす建物にある日影の窓をのぞいてごらん。縦縞スーツに身をかためたハゲや白髪が見えるだろう。ヤツらはそこの住人なんだ。いかにも真面目そうだろう?だけどハゲとか白髪とかは真面目な人ではないんだよ。互いの主張を日々繰り返し味方についた…
【牛小屋】 ぼくの通った小学校は国道の西側にある。今は国道の東も西も住宅街になっているが、ぼくが小学生の頃は東側が住宅街で、国道の信号を渡り、一歩西側に入ると風景が一変した。突然ど田舎なのである。 しかも、信号を渡り終えると、強烈な臭いがし…
ケロケロ人生重ねていけばいつかは手が出る足が出るそれまでしばらく我慢してここで静かに泳いでなさい手が出て足が出たあとには陸での暮らしもできるから今は生き急がずに焦らずにここで静かに泳いでなさい陸の暮らしを重ねていけば本当の恋に出会うのだか…
1, 今朝投稿した詩は、30代前半に書いたものだ。https://kukinami.net/entry/n/n906fecc6f455 その当時、高校時代に好きだった人に、まだ潜在的な未練を持っていたのか、よく彼女の夢を見たものだった。その内容はこの詩にあるとおりで、「おれ、お前の…
「君を愛してる」と言いかけた時いつも同じように終わる君の夢言い出せなかった大きな悔いがいつまでも残る。あの若い日々は先へと進まないいつもいつも途切れた映画のように後味悪い夢のいたずら朝の目覚めは夢を引きずって力の入らない一日の始まりあの頃…
若い頃、人からよく「髪が多いね」と言われていた。なるほど髪が伸びるとサイドが妙に膨らんで、影だけ見ると、まるでヘルメットをかぶっているようだった。 ハゲる家系ではないし、おそらくは死ぬまでこの重そうな頭を抱えていくものだと思い、頭の蒸れる夏…
天井のマー坊の存在を知ったのは今から六十年以上前のことだった。夜中何かの気配を感じ目が覚めた。気配のする天井の方に目をやるとそこに見慣れない顔が映っていた。母の話だと彼はマー坊という名のぼくの生涯の守り神なのだそうだ。マー坊はなにを語るわ…
1,近くの川に数羽の鷺が棲んでいる。河口の方には更に多くの鷺が棲む。四十年程前その川には鷺どころかサカナや亀さえ棲んでいなかった。鷺が川に居着くようになったのは川がきれいになり、それに伴ってサカナや亀がもどってきてからだ。ぼくが社会に出た…
秋風の吹く晴天の富士スバルラインをバスは軽快に登っていく。バスガイドの説明そっちのけでぼくたちは好き勝手に歌をうたう。誰かが『岬めぐり』を歌っている時、窓から湖が見えてきた。それが思い出のひとつになった。白糸の滝で濡れながらの写真撮影。他…
ぼくは毎日、弁当と一緒にバナナを持っていっている。休日にスーパーに行っては数本買い込み、その保存をそれほど日の射し込まない北寄りの部屋でやっている。さて、毎日バナナを弁当と一緒に持っていっているが週のうち何日かは忙しくて昼食をとれないこと…
愛という名の貸借表には、資本がとても大切なのです。その大小によって愛の資産は大きく変わってくるものなのです。お金の話ではありません。愛情の深さでもありません。人の心の豊かさが愛という名の貸借表の資本なのです。見た目が悪くてもいいのです。理…
以前近所にあった居酒屋は、いつもお客の入りが悪かった。まったくお客のいない日もあり、そういう時は決まって大将が、三十メートルほど先にある焼き鳥屋の前まで行き、腕を組んで窓の外から店の中を覗いていた。そして時々「チッ」と舌打ちする。おそらく…
スーパーで売っているお惣菜がすぐになくなってしまうのは、決してそれが「うまい!」という理由ではなくて、値段がそこそこ安いからだ。実はそこに並べてあるようなお手軽で脂っこい食べ物くらい、ちょっとばかり料理をかじったことのある人なら誰でも作る…
自分の心をどこまでも掘り下げていけば別の人間にたどり着くのではないかと常々ぼくは思っている。時々こういう夢を見ることがある。現実とはまったく違った環境の中で生活している夢だ。なぜかその内容がえらく現実味を帯びていてそこでの生活が自然に感じ…
70年頃に流行った言葉の一つが「自由」だった。何でこの言葉が流行ったのかは知らないが周りは事あるごとに自由を主張していた。深夜ラジオの影響もあって、当時中学生だったぼくも時代に便乗し何かにつけて「自由、自由、自由」と連発して口にしていたの…
物心ついた時から40歳までの間、ぼくは県の団地に住んでいた。 その団地、ぼくが社会に出るまでは二階長屋だったのだか、社会に出た頃に、建物の老朽化ということで、高層団地に建て替えられることになった。 それに伴い、建て替えるまでの約1年間、近く…
機械がぼくの将来の死因を探っている。検尿、血圧、採血、バリウム、心電図、レントゲン、問診、再び血圧血圧血圧。この数値、血圧がどうたら、こうたら。これは高い。やれ脳梗塞だ心筋梗塞だ。お医者様お医者様大丈夫ですよ大丈夫。わたしゃこんなことでは…
たとえば深夜、街が寝静まっている時に一匹の猫の子が鳴いたとしましょう。これが妙に心に響くのです。昼間、喧噪の中で重大な事件があったとしても、人にはその声の方が一日の印象として残るものなのです。 仕事でも同じことでしてね、会議が行き詰まって誰…
公園に数羽のスズメがいた。何かをひろって食べていた。スズメの周りにハトがいた。何かをひろって食べていた。一羽のカラスがやって来た。スズメは慌てて飛び去った。ハトはトコトコ遠ざかった。カラスはそこにいすわった。新手のカラスがやって来た。いす…