意欲なんて持たないほうがいい。
意欲を持って事に当たろうとすると、
いい仕事をしてやろうなどという
余計な我が入ってしまうから、
いい仕事が出来なくなってしまう。
たとえば文学とか音楽とかがいい例で、
意欲作などというふれこみの作品ほど
つまらないものが多く、
逆に気負いのない無欲な作品にこそ
いいものが多い。
ところが文学とか音楽なら
そのへんの呼吸がわかるくせに、
いざ仕事になると
わからなくなってしまう人が
多くいるから困ったもので、
そういう人が社会をよくしてやろうと
意欲的に取り組むものだから、
世の中おかしくなってくる。
意欲に感化された人や、
意欲にウンザリした人が、
意欲に振り回されたあげくに、
仕事の質を落としてしまう。
この国にある落ち着きのなさも、
何かしっくり来ないシステムも、
おそらくそこからきているのだろう。
確かにいい作品ではない。