第一次オイルショックが起きたのは
ぼくが高校一年、1973年の秋だった。
世の中が紙不足と言って突然騒ぎだした。
それを知って大変だなとは思ったが、別に
お尻が拭けなくなったわけでもなかったから
ぼくに紙不足の実感はなかった。
そういうさなか、ぼくは当時の大ベストセラー
『ノストラダムスの大予言』を買ったのだが
それ以前に買った本とは明らかに
紙の質が違っていた。
とにかく紙の色が白ではない。
藁半紙のような茶けた色になっていたのだ。
一読したあとに友人と
「1999年7の月を過ぎたら
もう一度この本を開こう」
と約束していたのだが
『こんな紙で果たして26年も持つのか』と
その本の紙を見て不安になった。
ぼくが紙不足の深刻さを実感したのは
その時が初めてだった。
『さて、これからどうなるのだろう』
そんなことを思っているうちに
紙不足ブーム(?)というのが終わり
徐々に普段の生活に戻っていった。
しかし…
『ノストラダムスの大予言』は強かった。
予言は見事に外れたものの、26年後の
約束の月を無事(?)通過。さらには
その後20年以上経った今も生き延び
今日も書棚の中で元気にしている。