くきなみ村から

人生万事大丈夫

【詩】六月の風

六月の風が熱く吹く。
もはや梅雨を忘れた炎天は、
地表のすべてを焼き尽くす。
炎を含んだ風はいつまでも吹き止まず、
生態系は呼吸をも束縛される。
口から、鼻から、毛穴から、
あらゆる呼吸器官を、
六月の風は確実に占拠する。
さまざまな感情をすべて焼き尽くす。
あいまいな過去をすべて焼き尽くす。
六月の風が熱く、熱く吹く。