2024-06-29 【詩】無表情な砂色 詩 夕方五時のサイレンが鳴ると、無表情な砂色の工場から工員たちが出てくる出てくる。作業着姿の寡黙な工員たちがカラカラに乾いた道をさながら高校球児のように土煙を上げて行進する。すべての工員の行進が終わると、ガラガラと門扉が閉じられ、工場はその一日を終える。夕方、ほのかな明るさが残る中、存在感のない灯りがひとつ、からっぽになった工場の、無表情な砂色を映している。