2024-10-18 ジャニス・イアンのライブ 二十数年ほど前になるが、ブルー・ノートが博多にあった頃に、ジャニス・イアンのライブを見に行ったことがある。 ドラマ『グッドバイママ』や『岸辺のアルバム』の主題歌がえらく気に入り、それから彼女の歌を聴くようになった。現在、主だったアルバムはすべて持っている。 さてそのライブ、彼女を見てその歌が聴けるだけで充分だったのだが、よくよく考えてみたら、そこは狭い会場だ。あのジャニス・イアンが、ぼくから10メートルも離れてない場所にいて、同じ空気を吸っているのだ。 そのことに気づいた時に、ぼくは一気に感動してしまい、止めどなく涙が流れたものだった。 それより以前にボブ・ディランのコンサートに行ったことがある。ミュージシャンというよりも、詩人として好きな方で、昔から本物を見れば確実に泣くと思うほど深く傾倒していたのだが、厚生年金会館(当時)という広い会場でやったこともあり、その時はただのミュージシャンのコンサートという感覚で、ジャニス・イアンのライブのように身近さを感じるような感動はなかったのだった。もちろん、涙の一滴も流れはしなかった。 この差はいったい何なのだろう。やはりその人との距離の関係なのか。それとも異性への憧れが招くことなのか。 いずれにせよ、その人と同じ時間を同じ目線で過ごしたという仲間意識が、そこにあるのは間違いないと思う。