くきなみ村から

人生万事大丈夫

【詩】夜の声

明日になれば、また今日も去り
夢の巷でひとりごと
時は過ぎて灰になり
夢の言葉で夜になる
 ひとり歩くこの隙間から
 寒々響く夜の声

月は枯れて星もなく
柳の道のひと休み
濡れた風が空に舞い
いつもの疲れた顔をする
 頬に紅をつけたひとの姿が
 恋のにおい残していく

ひとの谷間に道は消え
青いキネマに時は来る
うねりくねった虚ろな空の
ひとつの夢の物語
 ひとり歩くこの隙間から
 冷たく響く夜の声